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「自分で鑑定会社にコインを提出する正しい方法」の感想

コインの書籍

以前、Makuakeで購入したスラブケースと一緒に「自分で鑑定会社にコインを提出する正しい方法」という情報冊子も購入していたのですが、今回はその感想を。

購入してから半年後、重い腰を上げてグレーディングの準備を始めて2021年8月に発送し、2022年の2月にコインが戻ってきました。

結論から書くと自分で提出するより国内の正規ディーラーに頼んだほうが絶対に良いです。
一番の理由は手間が掛かりすぎることで、その手間を考えると国内のコインディーラーの代行価格は決して高くありません。あとページの下の方に書きましたが復路の保険の問題もあります。(また、冊子に書いていますが1枚の時価が20万円超のコインは、この冊子の方法は使えず正規ディーラーに依頼する必要があります。)

ですがこの冊子を買って全くの無駄だったということは決してなく、私の場合は少額貨幣をグレーディングに出す為に今後も実践する予定です。

冊子の内容

冊子にはNGC編とPCGS編があって、それぞれの会社の手続き以外の内容は基本的に同じです。今回は年会費の安いNGCに入会して実践してみました。冊子の著者もNGCを推奨しています。

丁度、アメリカへの国際郵便のルールが変わったタイミングで「米国への通関電子データ送信義務化」と「船便での出し方」についてのレポートが追加資料としてついていました。
(執筆日現在、国際郵便ではアメリカへは航空便で出せなくなっていて、船便で出すしか方法がありませんでした。)

この冊子の最大の売りの部分はネタバレになるので書きませんが考えてみれば当たり前の事です。私の場合は読んでいなければ完全にスルーしていたと思います。
そしてこれが時間と手間が一番かかる最も面倒な部分でもあります。

提出準備

初めてなので、失敗しても良いように値段の安いコインを10枚選んで提出することにしました。

冊子の手順どおりにNGCとFedExに登録して、NGCのシステムにコインの情報を登録して行きます。紙ベースの申し込みで無いので、間違いも起こりにくくこの点はとても安心です。

コインは1枚1枚ダブルポケットのフリップに入れる必要があるのですが、このフリップは国内で入手が難しくこれも面倒な点です。コインを入れて、その反対のポケットにナンバーを印刷した紙片を入れていくのですが、これがまた入れ辛く時間がかかってしまいます。

梱包が終わると次が郵便局での発送です。著者によると時間がかかるなどトラブル発生の要注意ポイントで、私も窓口に提出後、繰り返し呼ばれて冷や冷やしました。
後ろの男性局員が2人ほど駆けつけて色々私をフォローしてくれたのですが、雲行きが怪しく一時はもう駄目かと思いました。時間はかかりましたが最終的に受け付けてくれてほっとしました。(ちなみにすべて合法の郵便物で何も悪いことはしていませんよ)

NGCに到着

8月に発送してNGCに到着したのが10月の終わり、コロナウイルスの影響で非常に込み合っている状況で荷物が開封されウェブサイトで確認できたのはその約1ヶ月後でした。
ここでやっと一安心です。

1月にグレーディングの結果をウェブサイト上で確認できるようになり、あとは発送を待つだけだと気楽に考えていたのですが。

込み合っている影響か、冊子の情報どおりに発送案内は来ず、1月終わりに突然FedExから電話が来て通関で止まっていることを知りました。たまたまなのか、毎回こうなのか知りませんがNGCが税関書類を添付せずに発送してきたため書類の提出が必要とのことです。そしてここで思わぬ出費が積み重なり大きくグレーディングのコストを上げてしまう結果となりました。原因は値段の安いコインを10枚選んで提出したことで、著者の想定しているラインからずれてしまい想定外の費用がかかる結果となってしまいました。

この冊子の情報は1回の提出でコインの時価の合計が20万円以上のものを想定していますのでご注意ください。

結果とまとめ

結果としてはコイン1枚あたり約4,300円で苦労の割に国内ディーラーに依頼するのとほぼ同じ結果となってしまいました。(為替相場の影響も受けます。)今後は冊子の方法を参考にしながら独自の方法を模索するつもりです。

実践してみてトータルでは面白い経験ができて満足しています。冊子には実際の書類の写真なども載せてくれていて重宝しました。私の冊子は繰り返し何度も読み過ぎて紙がちぎれそうになっています。
直接グレーディングに出してみようと思う方には入門書として役に立つマニュアルだと思います。

NGC編の注意点

最後に、この冊子(NGC編)を読んでこれから実践してみようとされる方へ気付いた点を書いてみます。

1.冊子にサービスレベルや金額が載っていますがこれは現在変わっています。金額はもちろん条件もたまに変わるようなので最新の情報をウェブサイトで確認する必要があります。ちなみに「Modern」は「1955年以降」から「1965年以降」に2021年に変更になっています。

2.冊子ではNGCのシステムで発送方法を「USPSMail」を選ぶとありますが、「OvernighatDelivery」を選んだほうが良いです。こっちを選ぶとFedExのアカウント情報を直接入力でき、「SHIPPING INFORMATION FORM」を改めて提出する必要がなくなります。

3.船便では湿気対策が必要、説明どおりにストレッチフィルムやテープをぐるぐる巻きましたが、発送後にネットで検索して船便で部品が変色したなどの記事を発見し焦りました。
結果的に大丈夫だったのですが、ストレッチフィルムなどは水分を透過する材質なのでコインは金属の缶に入れて密封するなどの湿気対策をしたほうが良いです。

4.保険について、往路は満額保険を掛けれるのですが、復路は保険なしでFedExの損害賠償限度までとなってしまい、それ以上は個人で保険を掛ける必要があります。(この問題もあり正規ディーラーに依頼する方が良い気がします)

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