●塩化ビニール(以下塩ビ)(ポリ塩化ビニル・PVC)
安価で加工しやすい。使い捨て手袋や昔よくあったビニール袋などの原料として使われています。上の画像のような塩ビ製のコイン袋は厚みがあるので郵送時や持ち歩くときの保護に役立ちます。コイン用ではありませんが下の画像のような薄い小袋も良く見かけますね。
塩ビの特徴は水に強い、透明、薬品に強いなど。柔らかさを調整するために「フタル酸エステル類(DEHPなど)」などの可塑(かそ)剤を添加しています。この可塑剤がくせもので放置しておくと溶けだしてきてコインに害を与えます。
可塑(かそ)剤の害
可塑剤がコインの細かな傷などに入り込み汚れとなり、最悪の場合、錆や腐食の原因となる可能性があります。「フタル酸エステル類」の危険性が指摘されて以来、様々な可塑剤が登場し中には溶出しづらいものもあるようですが、塩ビに密着させてのコインの長期保存は絶対に避けたいところです。
有名なのが日本の初期のミントセットでほとんどが緑色に変色してひどい状態になっています。ヤフオクやメルカリなどに多数出品されていますので参考に画像を見ることができます。
というわけで、塩ビの袋は輸送時など一時的な使用に限った方が良いかもしれません。作家の加治将一氏はさらにポリプロピレン(PP)の袋に入れてから塩ビの袋に入れるのを推奨しています。短時間でも可塑剤の影響があるならそうする必要がありますがどうでしょうか?
食品を使った実験を見ると25度の室温で10日ほどでしっかりと可塑剤が食品に移行してる結果がありました。その他にも塩ビの手袋を使って弁当を製造していたところ基準値を超えて食品に移行していた(この手袋の例は食用油の影響が大きいようです)など、ネット検索すると大量に情報が見つかります。
万全を期すために直接コインを塩ビに触れさせるのは短時間でも避けた方が良さそうです。
【参考】「月刊「収集」 2020年10月号 」(楽天市場) 「コインの収納の仕方と保存方法」の記事があり、塩ビのコインへの害についても紹介されています。また、コインクリーナーの害についても触れられています。
【商品例】
【amazon.co.jp】ビニールコイン袋 検索結果へ
※ 裸のコインは直接入れないでください。持ち歩く時など一時的なコインの保護に便利です。