銅について調べました。湿気を防げば色の変化を抑えられるので銅貨の保管は防湿が最重要です。海岸沿いや工業地域など空気中に不純物の多い地域は変色の速度が速いので注意。
●銅の色の変化
赤褐色 → 褐色 → 暗褐色 → 黒褐色 → 緑青色
少し違うような気もしますが銅の色の呼び方は上記のようです。ピカピカの状態から酸化していき、酸化銅1(Cu2O)・赤褐色になり、さらに酸化すると酸化銅2(CuO)・黒褐色となります。(実際には硫化水素などの不純物の影響で複合的に変化するようです。)
その後、不純物の影響でさらに年数をかけて緑青色となります。
緑青(ろくしょう)自体は無害とのことですが、銅の精錬技術が未熟だと砒素が含まれていることがありこれが毒となります。現行の10円玉は大丈夫でしょうが、古銭は注意したほうが良いです。これらの銅の表面にできた被膜は腐食から内部を守る効果があります。
●青銅貨のグレーディングでの色の分類
NGC | PCGS | |
RD(RED) | 当初の輝きの 85%以上残存 | MS60以上で原色の 95%以上残存 |
RB(RED BROWN) | 当初の輝きの 15%以上残存 | MS60以上で原色の 5%超~95%未満残存 |
BN(BROWN) | 当初の輝きの 15%未満残存 | 原色の 5%未満残存 |
●銅貨の取り扱い
銅貨をさわるときは手袋をするほうが無難です。手の汗で指紋がつくとだんだんと変色して黒く指紋が浮かび上がってくる。その他空気中の不純物、ほこりなども変色の原因となります。水洗いも避けたほうが良い。すすぎ水の蒸発後に残る塩化物が変色の原因となります。
●銅貨の保管
銅は相対湿度が60%以下であれば、変色の速度が非常に遅くなる。何かの本にカメラ用の防湿ケースを使う方法が紹介されていて、これが使いやすくとても便利。 防湿ケースにシリカゲルを入れて湿度を下げて保管するだけです。ただし、シリカゲルのほこりが銅貨につくと水分を吸って変色の原因となるので取り扱いに注意する。袋に入ったシリカゲルを使用するほうが良いかもしれません。
シリカゲルにはA型とB型があり、吸湿力の高いA型で、色の変化で交換時期がわかるものが良いです。袋入りでも電子レンジで再生可能な商品もあります。夏場・梅雨時期のケースからの出し入れは、クーラーで室温・湿度を下げてから行うのが良い。⇒シリカゲルの記事
以上、これだけ調べるのに1週間かかった...
<参考>
・一般社団法人日本銅センター
http://www.jcda.or.jp/・古銭の成分分析
http://www.salesio-sp.ac.jp/papers/sotsuken/2007/pdf/documents/ee/3901.pdf・銅および銅合金の変色について
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcorr1954/8/7/8_7_291/_pdf